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ミコアイサ 2017/12/08... (2017/12/10)
ミコアイサ 2017/12/08
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トップ  >  2016年記録  >  2016年・秋 権現山 総括

秦野・権現山を1350羽が飛んだ  2016年秋

ふれあい自然探鳥会タカ渡り観察グループ  池上武比古

〇やっと、スタートラインに着けた

  秦野でタカ渡り観察を始めて11年、権現山でのサシバ秋の渡り総数は2011年の450羽に追いつくことなく、最近は400羽を切っている、こんな貧しい結果でよく続いたもんだ。それがなんと、16年9月30日の一日で1346羽を記録し、シーズン通して1770羽、9月25日に入山規制で入れなかった予想逸失分を入れると2000羽に迫る。この結果には「10年のご褒美よ」と声が仲間から出たが、皆の努力が報われたのである。よかった、観察総数が1000羽を超えたら、多少はタカの渡りについてものを言えるようになるだろう。

  この秋の権現山観察会33回(8・24−10・14)の成果は、サシバ1770、ハチクマ24、ノスリ93、不明26、その他95(ツミ37、オオタカ14、ミサゴ12、チゴハヤブサ10、ハヤブサ4、トビ1)です。詳しくはふれあいHP「タカ渡り観察の部屋」をみてください。

〇権現山広場はお祭り騒ぎ

  30日は横浜から秦野への2時間の車中、サシバ排出源である北東、東の山並み、雲をみていると、前日までのもやっとした暗い雰囲気は切れていたが、丹沢には雲がかかり「今日もパッとしないな」と思っていた。ところが8時半過ぎ、駐車場から歩いて10分、息を切らせて階段を上りきると、いつにも増して展望台の仲間たちの声が騒がしい、その声につられて200mほど離れた水飲場観察舎にたむろしているカメラマン20名たちが広場に出て空に大砲(400−800ミリカメラ)を向ける異様な雰囲気だった。

  急いで展望台に上がると。展望台北側約200m上方、裸眼でも十分見える高度を次から次とタカ柱、時には50羽単位の柱が2回を形成した。一気に通り過ぎることなくここでサーマルを補給しているので、この集団は通常、北東の伊勢原方面から流れてきたもののようだ。サシバは併せて150羽近くになり、記録担当はいきなり大忙しとなった。

  このラッシュを見ながら「デジャブ(既視感がある)だな」と思った。それは10年9月26日に同様の体験をしたからだ。当時は権現山と菜の花台の2点観察をしていて、菜の花台では成果がないから合流のため午後1時ごろ広場に着くと、皆さん大騒ぎ。ところが、当日は秦野タバコ祭り花火の準備のために、展望台から追い出され、棹になって通り過ぎるサシバをうらめしく見ながら下山したのだった。

  「それで、何羽だったの」と聞いても「わかんない」。公式集計でその日は120羽になっているが、そんな数ではなかったろう。みんな「アワワ」状態だったのだ。いつもは1羽が飛来すると、同定で喧々諤々なのだが、次から次と棹になってサシバが飛ぶ事態に、興奮が先だって、だれがどれをカウントしているのか分からなくなったようだ。

〇サシバの薄茶色カーテン

  30日の場合はその時の教訓を生かしたのか、順調にカウントは済んだようで「よかったね、すごかったね」と昂揚に浸っていた。ところが展望台北上空での集団の動きが一段落した9時半ごろ、南方にすさまじい集団が現れたのである。たまたま「なに、あれっ」と目のいい仲間が柱を見つけて追いかけて行くと、次々と連鎖がわかった。100羽、100羽と通り過ぎて行くが、とてもカウントが間に合わない。言うならばサシバの薄茶色カーテンが西に向かって進んでいる。

  カウントに正確を期すならば、白樺峠のウオッチャーたちがやっているという、柱が頂点でほどけ始めて数える、ということになるが、とても無理、上に上昇しないですっと飛んでゆくやつがいるのである。だから、私も「アワワ」状態だったので反省しきりだが、カーテンをどんどん分割してカウントすべきだった。

〇白樺峠以上だ

  「ダブルカウントしていないかな」という声が出たが、むしろカウント漏れがかなりあったのではないかとも思える。こういう僥倖はめったにないが、今後心しておかねば。

  総計700羽ぐらいはいたのだろうが、「まるで白樺(峠)状態じゃないか」という声が出た。いやいや、私も白樺峠で3500羽が出た日にめぐり合わせたことがあるが、このようにサシバを近くにカーテン状で見たことはない。「すごーい」という声が皆から出たけれど、「すごい」という日本語ではこの状態は表現できない、アメージングとかマーベラスとかいうところだろうか。

〇見つかった盲点

  この10年間、「今日は気象条件からしてサシバはどっと出るぞ」と思っていても成果に乏しいのに、家に帰って見る稲村ケ崎、万葉公園など各地データからサシバデーであったことを知って、何度がっくりしたことか。「どうして秦野では見えなかったのだろう」といつも自問自答していたが、考えられるわけは^霏璽浦蠅△燭蠅ら海を飛んだ高高度の季節風に乗って通り過ぎた−などしかない。そして、30日にサシバのカーテンを見ながら、「これもありか」と考えた。

  というのは30日のカーテンの所在は展望台の水平目線よりはかなり高く、遠い。これまでの経験から、南が要注意ということは皆が感じていることだが、南といっても大磯の丘陵あたりを漠然と見ていても、このサシバカーテンは分からない、双眼鏡の仰角を30度以上上げて、やっと重度の飛蚊症になったかのようなサシバたちが見えるかという様子である。場所は権現山と大磯丘陵の中間、距離にして3舛呂△襪、高度にして800mだろうか、権現山が230mだから高い。これ以上高度を上げて1000mになると、ダブルスコープでないととらえられないだろう。

  ところがこの日は南の空が暗く、1000m以上の高度にサシバが上昇する気象条件はなかったのだろう、それが幸いしてようやく見えるところでサシバは飛んでくれた、いわば幸運に恵まれたわけだ。これが快晴の日だったら、サシバは権現山で知られることはなく飛去したことだろう、来年以降のことを考えると頭が痛い。

〇高々度の異例な飛行

  稲村ヶ崎との絡みで異例な集団飛行を観察した日がほかにもある、サシバ153羽を記録した10月6日である。この日は多少南風だけれど条件は良い。午前中のサシバはぱらぱらだったのに、12時を過ぎると遠くも5阻未梁膸害爾△燭蠏廝械葦の柱、目ざといメンバーが見つけてくれなければ、見過ごしているところだった。

  ところが12時15分過ぎ、今度は東上空はるか上に次々とサシバが飛来して計70羽である。それにしても遠い、これも端緒を見つけなければ見過ごしているだろう、飛来する角度は伊勢原方向だが、この近辺でサーマルを補給することなくノンストップ便である。

  これはいつもの便とは違う、と考えて稲村ケ崎観察を主宰している池英夫さんに後日問い合わせてみると、当日は昼前に風は北から南風に急に変わって内陸方面に流れ「これを見つけるのはものすごくきつくて、観察者全員が陸側に向けて点のようになったサシバを数える苦行を強いられた。朝から南風だったら起こらなかった現象で、普段なら湘南平に行くはずが内陸に流されたのでしょう」とあった。どうも藤沢北のどこかで大きいサーマルに乗って権現山に飛来したのだろう、こういうこともあるから、何とも分からない。

〇異常気象が招いた特異現象

  なぜ、関東各地すさまじいサシバの動きが出たのか、それを解き明かすかぎは、30日の天候だろう。私はタカ渡り観察を始めて以来、一段と関東全体の天候動向に敏感になったが、この秋は梅雨以上に不安定な天気で、こんなにひどいのは経験がない。事実、東日本の太平洋側では9月中旬の日照時間が、統計を開始した1962年以降で最も少なくなり、東京都心では9月中旬〜月末の日照時間は一日につき平均して1時間しかなかった、とか。この天候不順の時期はサシバが渡りに蠢動する時期にもろにぶつかっている。

  それで30日は車中で天気実況を聞いていると、北関東は晴れており、最低気温は各地とも5°は下がっていて、北風が入っているため湿度は低く、さらに風向は全日までの南風から北寄りに変わっていた。「気温低下は渡りの兆し」と観察者の間での経験則になっているが、「ひょっとして、サシバのスイッチが入るかな」という期待通りに、異常な長梅雨、高温、多湿のため動くに動けずにいたサシバがどっと動きだしたということだろう。

  さらに、サシバの特性として、渡りが集団化すると、それが類を呼んで集団は一段と大きくなるから、その動きは見やすくなり、30日各地の新記録になったのだろう。

〇練度が格段に上がった、動体視力がすごい

  この春の菜の花台での観察では、それまでの200羽台の記録を一気に塗り替えて400羽の大台に乗せた、それに続いての秋の権現山でも飛躍的に記録が伸びたのは、タカ観察グループの練度が高くなったのが最大の理由だろう。経験の蓄積でサシバの出現する方向への目配りが行き届いてきた。さらに皆さんの動体視力の良さがそれを後押ししている。 「あそこ、コナラ(大木)の上、タカよ、2羽、3羽もいる」と目ざといメンバーが教えてくれても、私には2羽どころか1羽も見えない、両目の白内障手術をしたのに大してよくならず、古希を超えていよいよ衰えたのか、仮に私一人で観察したら、今秋実績の4分の一に届いたかどうか。

〇特異日データからいろんなことが見えてくる

  八王子3か所2700羽、青梅2か所で1500羽、天覧山470羽、とワンデー新記録を更新したようだが、権現山と稲村ケ崎の関係でみると奇妙なことに気がついた。権現山はいつも稲村ケ崎の後塵を拝しているのだが、なんと権現山は稲村の2倍以上になっている、これは、変だ。

  武山は三浦半島の先端近いので、多くは相模湾海に出るか、陸上を飛んでも稲村ケ崎で捕捉されると私は考えているので、いつも注目するのは稲村ケ崎のデータ。それで30日の稲村ケ崎ブログコメントをみると、サシバは海上でも内陸でも、あちこちに出現したようで、海上に飛んだ分(われわれには見えない)があるだろうし、稲村ケ崎で見えなかったのが800羽以上来たとみていいようだ。

〇大都市圏横断組

  サシバの渡りを観察するのは、ただただサシバを見たいからである。太陽に透かしたスレンダーな姿のサシバが、ひたす高度に頼ってスライドしていく姿をみると頑張れよなと声をかけたくなる、それで多くのサシバ病患者が生まれる。それはそれでいいのだが、サシバを見たければ、サシバが多くみられる場所、日時を選んで行けばいい。

  私はできることならば、渡りの条件、航路をみたいと考えているのだが、それには可能性のある場所で連続観察を続ければ、そのきっかけをつかめるかもしれないと考える、それが30日のような大量観察結果である。

  この800羽は内陸通過分ではないかと考える。稲村の観察では当然見える範囲で内陸の勢力を捕捉しているから、この内陸を飛んだ分は軽く1千羽を超えているかもしれない、これは驚きである。

  タカ渡り観察をするポイントは東に行けば行くほど少なくなるので、私は少ない情報をベースにいろいろと東からの権現山へのルート想定をしているが、〕Э佑東京・杉並区のはるか上空でサシバの編隊を見た 横浜市お各所でサシバの渡りを目撃されている 座間、厚木市北の山陵上空でサシバの渡りが観察されている−などから、東京都・町田以南を西進する集団がいるのではないか、と考えているのだが、ひょっとしてこの800羽以上の勢力はそれなのかもしれない。

〇桂川沿いの勢力はどこへ

  30日の結果を関東レベルで北から見ると天覧山500(50羽を境に四捨五入)、奥多摩1500(3地点計)、八王子2500(3地点計)、上野原500(加塩さんの関東タカML報告)、鎌倉900(武山、稲村ケ崎計)、権現山1400、万葉公園1800、明星山2700、静岡は杉尾山、平山林道の単純加算で11000だが両地点で90%は重なっている、とりあえず6000羽としておこうか。

  ところが明星山で2700を確認しているということでは、静岡の残りは3500羽程度しかない。地理的な関係からいえば、明星で見たサシバは静岡で捕捉されるから、おかしい。なぜなら、八王子から上野原まで桂川沿いに4地点で見られたサシバの合計は3000羽で、観測点をさらに網羅できれば、すごい数になるだろう(関東勢を考えるとき、青梅、所沢、羽村などの勢力は、桂川沿いフィルターにかかるとみている)。

  もちろん八王子からは南西に丹沢越えをして御殿場、万葉から富士南麓を飛ぶ勢力はいるだろうが、桂川沿いでは以前に大量のサシバ飛行が確認されている大月、都留などの観察記録が30日にはなかったことを考えると、この周辺を3000羽以上が南下、もしくは南西にとんでいよう。

〇甲府盆地以西では渡りはなかったのか、それとも西進してしまったのか

  関東タカネットの有志と、静岡へのルート探りをしているが、桂川沿いに西進、もしくは南西進したサシバは富士吉田周辺をかすめて御坂山塊沿いに飛び、かなりの部分が朝霧高原を南下、天子山塊を横切って静岡に飛んでいるようだ、一部は精進湖あたりをそのまま西進して南アルプス前衛の山々に飛んでいるのか。

  とすると、困ったことになる。静岡カウントとの整合性を考えると、私は朝霧高原を抜ける勢力とは別に、甲府盆地、それに盆地以西を南下してくる勢力があって、それはどこを飛ぶのかとあれこれ想定しているのだが、30日のデータからすると、その盆地周辺南下組はほとんどないことになる。

  関東のサシバは同期して動き出す、というのがこれまでの経験則で、甲府盆地やそれ以西を横切る動きが例外ということはないだろう、ならば、どうしてそれなりの勢力が見当たらないのか、そもそもそういう大勢力はいないのか、それとも身延よりかなり北で西進したのか。

  それを考えるには、タカの山脈をものともしない行動を考えるといいのかもしれない。それを推測させる話がある。白樺峠で9月25日に4824羽が渡っているが、その日に白樺峠から15阻姪譴梁臑貉魁閉灰岳への途中、2600m)を登っていた知人が「大滝山北峰で、「タカの渡り」を観察しました。タカが渡っていく場面が次から次へと見られました。大滝山と蝶ヶ岳の間を通るグループと、安曇野平からの上昇気流を使って上がってくる「タカ柱」グループも見られました。一週間も雨が続き、渡りができなかったので、この日はまさに「タカデー」だったのです。雨の降った翌々日にたくさん渡るのですが、ずっと雨でしたので、ものすごい数でした。びっくりポンです」(八ヶ岳自然ヒュッテHP)としるしています。

  サシバは北アルプスを南北に広く渡っていて、その渡りは同期しているのです。その行方に山があろうとも、大滝山の場合通過すれば穂高岳だが、それをものともせず飛ぶ、静岡の北部でも同期して飛び立ったサシバが次から次と西進していたのかもしれない。

  静岡で大量に飛んだ日はほかにもあるので、関東ネットの仲間のデータ、関東の観察結果、静岡のカウントを照らし併せてさらに整理したい。

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