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タカの渡り記録

2011年秋タカの渡り観察総括

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  • なし 2011年秋タカの渡り観察総括 (avocet, 2011-11-15 10:59)

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avocet

なし 2011年秋タカの渡り観察総括

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011-11-15 10:59 | 最終変更
avocet  長老   投稿数: 618

2011年秋タカ渡り観察記


ふれあい自然探鳥会、タカ渡り観察グループ 池上 武比古


○執念でサシバ446羽確認、新記録

 「あれっ何よ、2羽が舞ってるよ。サシバっぽいよ」最初にタカを見つけるのはだいたい女性陣である。執念深いというか、根気強いというか、O,N,Sさんたち、彼女らがいなかったら半分は見つかっていないだろう。そのSさんが権現山上を指差して叫ぶ、「どこ、どこ」と、その方向を見つめる。双眼鏡で捉えてもスコープではなかなか捕まらないのだが、今回は珍しくゲット。スコープに入ればこっちものだ、タカは一瞬にして通り過ぎるようだが、根気よく追いかけていると、色んな特徴を見せてくれるから同定できる。

「中型だし、サシバだといいなあ、おおっと反転したぞ、下面はやけに白いぞ、それに翼幅が広く、切れ込んでいる、何と!けんかしている。サシバはこんなことはやらない」と言っているうちに、あちこちから「なんだオオタカか」と落胆した声が出た。

「ぜいたくだよね、探鳥会でオオタカが出てくれば大騒ぎなのに、2羽もいて何だ!とは」と言うのはWさんだが、皆にそれだけサシバを見たいという気持ちが強い。私はこういう人たちをサシバ病患者と呼ぶ、もちろん私も。そのサシバを見たいという気持ちで粘って、今年のサシバカウントは446羽と、昨秋の290羽を大きく上回った。

○フラストの続く観察

 「うつくしい鳥は黙って渡りけり」 白樺峠で観察している信州ワシタカ類調査研究グループが紹介している一茶の句である。この鳥は間違いなしにサシバだろう。スレンダーな翼をいっぱいに広げ、羽ばたきもせず愛鷹山と富士山麓の十里木高原の間をすうーっと流れていった姿を矢倉岳で見て以来、私はサシバファンになった。

同様にサシバ患者になった仲間たちは、「面白くない、消化不良だ」とこのシーズン当初はご機嫌が良くなかった。昨年秋、望楼の上を次から次と棹になって飛んでいったサシバの記憶が鮮烈なのに、姿をまじかに見ることが少なかったからだ。台風が通過して「さあ、サシバだ」と息込んでも、続々発生する台風の逆時計回りの風、それも強い南風が続き、それが収まっても、順風なれど北風強く、さらに強いかすみが続いた。

○サシバの日時計は正確

 ところがサシバ日よりの“常識”を無視するように、サシバは飛んだ。毎日、サシバが飛んでも1,2羽という日が続いた中で9月23日、男性陣では根気強いMさんが渋沢丘陵の先にタカ柱を見つけると、10時すぎから11時ごろまで最大60羽のタカ柱が6回、都合138羽を認めたのである。

これが思い返せば第一次のピークだった。これまで毎秋、三浦半島、八王子の観察点でどっとサシバがカウントされても、秦野では「ゼロ」という惨めな結果が出たことがあったが、この日の結果を思うと「そうか、当時は見逃していたのだ」と思わずひざを打ったものだ。

しかし、いいことは続かない、風向は東でも強すぎる、温度が上がらないなどの悪条件で、サシバが出ない日が続き、やっと10月3日「今日もぱっとしないな」と思っていたら、Kさんが「あれ何よ?」と南を指差す。ほとんどノーマークの方向だが、次々とサシバが遠くを通り過ぎ、いつものサーマルポイントでソアリングする。この日は58羽、翌4日も77羽、それまでの北東から西への飛行ルートではなく、南方を通り過ぎて渋沢丘陵で舞い上がる、だから遠い。

例年のピークは9月25日、10月5日前後、この秋はサシバを見たという満足感からは遠いのだが、終わってみればこれが第二次ピークだった。サシバの「帰らねばならぬ、行かねばならぬ」とスイッチの入る日時計は正確だった。

○ラニーニャだと駄目なの?

 神奈川周辺りの観察地では、三浦半島・武山は例年の半分程度の結果に「おかしい、在庫はまだある」と調査日をぎりぎりまで延ばしたし、八王子も変調気味だった。「なんだろうこれは」と思っていたら、タカ渡り調査の緻密さでは群を抜いている茨城・稲敷グループのまとめ人・池野進さんが面白いことを言っている。〆鯒は冷涼な夏(エルニーニョ)で晩夏から北風が多かったので、東北地方、北関東のサシバはより南まで下れた、このため茨城県南部、三浦半島では大ブレークした∈Gはラニーニャ(西太平洋の海水温が以上に高く、太平洋高気圧が極めて優勢)のため高気圧の噴出しが強い−と言う。

サーマルという気象的には超ミクロな現象にこだわってきた私には、このような超マクロな話が出てくると「はあー?」と理解は及ばないが、池野説では今年はラニーニャで「南風が強く、東北地方のサシバは十分に南下しないうちに内分泌物質の指令が出て、進路を西に振った」とか。

だから、三浦半島に行くべきサシバが内陸に入り込んで、秦野のカウントが増えたのか、とも考えたりしているが、サーマルにしても、とてもサーマルができそうにない天候でも、場所によってはできている。まだまだ気象のお勉強をしなくてはいけない。(了)



(「どこだ、どこだ!」とにぎやかな観察 権現山山頂の望楼)


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