Re: 2008年秋タカ調査記録
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2008年秋タカ調査記録 (gkd44239, 2008-9-26 13:27)
- Re: 2008年秋タカ調査記録 (gkd44239, 2008-9-26 13:27)
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- Re: 2008年秋タカ調査記録 (gkd44239, 2008-10-11 17:32)
gkd44239
投稿数: 111
10日(金)
【菜の花台】6:50ー11:30、晴れのち曇り、風向なし〜南、0−2、20度 (7時頃)観測竹内、池上
7:55 オオタカ1 成鳥、雌雄不明、駐車場先のマツの枝
8:02 トビ2 大山左を上昇
8:35 トビ1 三角山上空
8:40 ハチクマ1 岳の台上空を西へ。
8:56 サシバ1 三角山頂上から秦野盆地方面に少し下り加減。 少し 羽根をたたんでいた。
9:09 ノスリ1 三角山稜線、枯れたマツの枝に、結局9:51分まで 止まる。(これも地付きの個体休憩か。)
9:35 サシバSP、観察場所と水平高度で飛行、南東へ
10:22 サシバ3 フォーク鉄塔方面との中間あたりの距離。上昇し急 降下、遊びの雰囲気。斜面の緑で見失う。
10:34 ハチクマ1 三角山上空を北西に、双眼鏡で追えた。
所感:今期のメインの渡りは終わったか?いずれも単独個体が少々遅れて 飛んでいた感が強い。10:22分のサシバ3羽は上昇するものの、羽根を閉 じて降りたかと思うと、又上昇したりと、遊んでいる雰囲気だった。 以上
【権現山】8:00〜11:45 晴れ 風向:E〜N 風力:1〜2 稲田 08:55 タカ sp.x1 フォーク鉄塔東側 カラス約30羽にモビングされ、少し上昇して 西へ。 他に出現なし。 水のみ場にキビタキ♂♀、観察場の桜の木にツツ ドリが出現。
【変電所前】8:00−10:30 晴れ 南西1、24度 池上 8:46 ハチクマ 頭上に湧きだす 旋回しているうちに見失う 9:24 ハチクマSP2 北上 9:35 サシバの声がするが姿見えず。 渡りか、ヒヨドリ10羽ぐらいが2度 西へ、
12日(日)
【菜の花台】9:00−12:20 南1、曇り、池上、竹信、小林み、菅原、霜島、吉邨、稲田の7人
9:38 ハチクマ
9:56 鉄塔にノスリ ノスリの鳴き声
10:06 ノスリ
11:47 ハチクマ 真上を西へ オオタカが大山方向に
【08年 丹沢山塊 ふれあい秋のタカ渡り調査】
会員番号134 横浜市:竹内 勝夫
小生の住む旭区・若葉台の団地から、朝に夕に眺める丹沢山塊。左に端正な大山から右に三峰山、その先の峰々辺りまでの山々が遠望できる。残念だが表尾根は無理である。
果たしてこの山波を秋のタカの渡りは越えてゆくのだろうか?ふれあい・池上さん提案のタカの渡り調査に参加し、丹沢山塊越えの渡り確認のため今年も通ってみました。
過去の調査から矢倉岳から万葉峠を越す渡りの集団は、この神奈川県内の何処を通過しているのか?この秦野盆地から丹沢山塊の何処を越えているのだろうか?その疑問に挑戦したのです。
観察の時には5時に起床、6時には出発し、7時から菜の花台で観察である。早朝は、小鳥達が我々を楽しませてくれました。双眼鏡を肩に、コンビニのおにぎりを頬張りながら、秦野盆地・湘南の海岸線・相模湾に浮かぶ朝日を受けた江ノ島も格別でした。
少し双眼鏡を引くと、秦野盆地が海のようで、そこに半島のように突き出た権現山から弘法山がやはり日を受けて輝き見えています。
この時間耳を傾けると聞こえるのは、シジュウカラ/メジロ/ホオジロ/モズ/イカル/カケス、そして少し気温が上がると、飛ぶために生まれてきたようなアマツバメ/ヒメアマツバメ/イワツバメ/ツバメ達です。山頂をかすめながら羽音を残し去っていきます。
その間をぬって、オオルリやヒタキ類も梢で休息を取りながら西を目指します。でも何時も感じますが、何故小鳥達の体型はこの様に多様に進化したのでしょうか?同じように海を渡り南の越冬地を目指すには、余りにも飛ぶことに対する体型が違うからです。餌の取り方での進化と思いますが、その過程での変化には興味には尽きないものが有りますね。
小鳥達を観ている間に時間も経ち、気温も上昇し始めると、猛禽類が活動を始めます。何時も先陣を切るのがトビです。菜の花台のケースでは殆どが秦野盆地側から突然姿を表します。ワッとさせられますがトビですねで終わってしまう。(トビには失礼だが)。
次は一通り近隣に立ち並ぶ高圧送電線の鉄塔上部をチェックする。時折羽を休めているタカ類が観察されることがある。彼らにとっては休息やハンティングの良いポイントであるのだろうか。
そして双眼鏡焦点を権現山に合わせる。そこから順次弘法山、善波峠、そして浅間尾根を大山方面へと移してゆきます。地付きのオオタカやノスリが舞うが、大きい群れの渡りには巡り会わないことが殆どである。
ある日のこと権現山でセンサス調査をしていた仲間の方から、大山山頂遙か上空を飛ぶ群れの情報が観察途中に入ってきた。急ぎ双眼鏡を大山上空に向けると、居たではありませんか! ヤッターと声が出ました。
肉眼では見えないが上空を飛行するサシバの群れが、レンズを通して確認出来ます。なんとサシバは丹沢山塊の上を飛び越えていたのです。
今まで見えなかったサシバ達は遠くで上昇気流に乗り、水平飛行に移り、高度が落ちたら再び上昇気流に乗り西を目指していたのです。矢倉岳でも気流に乗りその先の箱根を超えていたのでしょう。この瞬間に、我々の調査にも一筋の光が射したと嬉しく、楽しく感じ入りました。
大山やその付近の山々の稜線よりも、はるかに高い空をすでに滑空し越冬地を目指していたと感じました。渡りの群れは面白いように次から次と大山の上を飛んで行きます。
9月27日の午後、権現山で飛んだ集団も、遠い水平方向に気を取られていた我々の視野より高く飛来し、忽然と姿を現し、気づいた時には権現山山頂の少し北を悠然と飛び、あれよあれよと言う間に、一直線に矢倉岳方面へと去りました。
今後の観測結果を待たねばならないが、これらの経験や各種の文献から、関東平野ではサシバがと飛ぶ日は一斉で、遠くで上昇気流に乗り、降下・上昇を繰り返しながら一気に飛び抜けるように、その日の内に渡りきってしまうと、この度の観察からは感じました。
こんな観察や感想で今シーズンの“ふれあいタカ渡り調査”は10月中旬、来期も又の合い言葉で終わりました。数は減ったものの、未だツバメ達が西へと軽やかに菜の花台をかすめ飛び去っている日でした。
今シーズンの観察は完了ですが、調査は未だスタートしたばかりです。場所やルートを確定し渡りの実態を掴むまで継続します。
それにはふれあい皆さまの数多い観察の目が必要です。次のシーズンには誘い合って、渡りのタカを多くの会員で観察・調査が出来る年になればと願いつつ・・・・・有り難うございました。
2008年秋タカ渡り調査を振り返って 池上 武比古
矢倉岳の東側で沸き立った鷹柱は、やがてほどけ、サシバは次々と愛鷹山に向かって樹海の上を悠然と滑空してゆく。その勇姿を見て、誰しも感慨を持つでしょう、私はいつも書くことですが、その姿を想い浮かべるとアルビノーニのアダージョの旋律を思い出します。
タカの渡りを見たいなら、遠くでは伊良子岬、白樺峠、近くでは矢倉岳に行けばいい。しかし、そこは先人が開発した場所、手っとり早いけれど観光名所を訪れるようなもので、できることなら自分たちのフィールドでその姿を見たい。
そういう思いで始めたタカ調査ですが、2年目で何とかその緒に着いたようです。私なりにこの秋の調査の問題点を整理して、皆さんの意見、批判を募りたいと思います。
○大山から権現山の山稜、上空はタカの大きな渡りルートだった。
まずは権現から始めようと調査を始めたのは、秦野に住む浅川久子さんが「弘法山と権現山の間ですごい鷹柱ができたことがある」と、渋沢丘陵の観察会リーダーの船木曄子さんが「何度も渋沢市街上空に鷹柱を見た」という目撃談を寄せてくださったからである。
半信半疑ではあったが、この秋の9月26日の86羽、10月2日の70羽(重複あり)の目撃で、この近辺がルートであることは実証された。
権現山の南をタカ飛ぶことはほとんどないようだ。さらに南の湘南平のあたりは逗子や鎌倉方面からの渡りのメインルートになっているかと思われるが、それを見るのは無理。しかし、この大山―権現山線は、箱根―万葉公園線の前の大きなゲートになっていることは確実なように思える。
○飛行ルートは高かった
昨年は10月4日、神奈川県内での観察ポイント、武山、峯山、万葉公園でサシバ・デーに沸き立ったとき、われわれの菜の花台観察では記録はゼロで、惨めな思いをした。ところが、今年は何とかカウントできたのは、高度の飛行集団を見つけたからだった。つまり、去年は見ていても見えなかっのだが、それにしても高く遠く飛ぶ集団を見つけるのは難しい。
今年2回のサシバデーで、何とか集団を確認できたのも浅川さんの「飛んでるわよ」という連絡があってのことだった。というのは、われわれはそれまでの経験で、権現山では通称フォークからNTT中継塔の浅間山山稜越えにばかり注目していて、その山稜のかなり上とか、われわれ自身の真上にまで気が回っていなかったのである。菜の花台も同様で、言われてみれば、大山のはるか上を飛んでいる集団がいた。
山稜越えと、高度飛行組のどちらも見るには、今の権現山・東屋の横の観察では限界があるかもしれない。山稜の向こうでソアリングしているのを見つけて、それが滑空すると、展望台周辺の樹木に邪魔されて、行方を見失ってしまう。その面では、権現山直下の駐車場横は大きく見通しがついていいかもしれないし、小蓑毛・変電所前はさらに展望が開けていて、山稜越えも高度飛行もチェックできそうな気がするので、今後検討したい。
○八王子南下組は少数、大半は大都会高度通過組ではないか
調査を始めた時のコース予想は、八王子方面からの南下組が丹沢の東麓、南麓沿いに回って来る、というものだった。それだからこそ、権現山、菜の花台の観察のターゲットは、大山から権現までの山稜であり、そこで上昇気流に乗って来るのを待ち構えていた。その想定は部分的に合っていたのだが、われわれの念頭にはなかった高度通過集団の規模は、それら山稜越え集団をはるかに凌駕していた。
実際に見て、聞いて考えると、雨や曇りの毎日が続いたあとの晴れ、朝から気温が上昇したときの通過集団は、われわれから見える山稜あたりで上昇気流に乗ったのではなく、はるか遠くで登りきって滑空し、秦野付近でできればもう一度一仕事するか、という風情にも見えた。(東京など大都市を横断したサシバ群が秦野あたりを横断したのではないか、という推察は、ふれあいHPのフォーラムに入れました)。
○秦野でのサシバデーは、城山湖とはリンクしていなかった
秦野でのサシバデーの出現サシバを見ると、大半は高度飛行組だが、もちろん山稜越えと見られる飛行組もいる。森要さんの名古木、変電所前での観察で目撃された個体や、伊勢原・浄水場入り口の七沢観察で目撃された多くの個体もそうだ。
それまでに飛行してきて、一晩その山麓で休憩していたのか、それともその日に山稜伝いに来たのか、それは分からない。その行動パターンを今後調べてゆくことは、七沢での調査の大きな目的になろうかと思うが、ただ、秦野、菜の花で多くのサシバ通過を認めながら、七沢では分からなかったことは、どう理解すればいいのか。単純に見逃したのか、それとも、高度が高すぎて見えなかったのか。どうも、後者のような気がするが。
いずれにしても、城山湖を始めとする八王子各地のサシバがほとんど西へ向かったことや、秦野に比べて確認個体数が少ないことから見て、秦野でのサシバ集団はどうも厚木の方には来ていなかったようだ。
○同定力のアップを! いい知恵を貸して手ください。
タカ観察を始めて、いろんな喜び、驚きを経験した。神奈川でこんなにいたの?と言いたくなるような多くのハチクマを目撃したこともそうだし、定番のサシバ、ハチクマ、ノスリ、オオタカのほか、ハヤブサ、チゴハヤブサ、ハイタカ、ツミ、クマタカなど多くの種類のタカを見て、まだまだ自然が残っていることを実感した。
ただ、多様なタカに遭遇できることは、同時にタカの同定力が問われることでもあったが、まだまだ駄目な私は「何やあれ?」ばっかりであった。2キロはあるだろうか、遠くの点を見つめながら、まずはカラスとの区別。これは、カラスのひらひら飛びでなんとかクリヤー、その次はトビ。バチを見られるならいいが、水平飛行に入られたりすると、ノスリではないのか、それともサシバなのかと、だんだん支離滅裂になってくるのである。
七沢で見ていても、前日の私の観察ではゼロなのに、翌日の吉邨隆資さんの観察ではすさまじいカウントをしていたことで、その差は如実に出ている。よって、吉邨さんには脱帽して、遠くの点やシルエットでどう見分けるかを、これまでの知恵を集大成して披瀝してくださるようにお願いしている。
市販のタカ図鑑は、虹彩がどうしたとか、横斑がどうしたとか、いろいろ書いてあるが、そこまで見えたなら誰にだって同定できるというもので、白樺峠のように近くにみえるのならともかく、双眼鏡ではだめ、スコープでやっと見えたというレベルで苦闘しているわれわれにはたいして役にたたない。
タカというのはなかなか見かけることはないし、探鳥会で見ても一瞬の間に通り過ぎてゆくので、その特徴を把握できないままに終わることが多く、たとえ何とか同定にたどり着いても、この歳ゆえにすぐ忘れてしまう、ということを繰り返しているので、何とかしなければいけません。
【菜の花台】6:50ー11:30、晴れのち曇り、風向なし〜南、0−2、20度 (7時頃)観測竹内、池上
7:55 オオタカ1 成鳥、雌雄不明、駐車場先のマツの枝
8:02 トビ2 大山左を上昇
8:35 トビ1 三角山上空
8:40 ハチクマ1 岳の台上空を西へ。
8:56 サシバ1 三角山頂上から秦野盆地方面に少し下り加減。 少し 羽根をたたんでいた。
9:09 ノスリ1 三角山稜線、枯れたマツの枝に、結局9:51分まで 止まる。(これも地付きの個体休憩か。)
9:35 サシバSP、観察場所と水平高度で飛行、南東へ
10:22 サシバ3 フォーク鉄塔方面との中間あたりの距離。上昇し急 降下、遊びの雰囲気。斜面の緑で見失う。
10:34 ハチクマ1 三角山上空を北西に、双眼鏡で追えた。
所感:今期のメインの渡りは終わったか?いずれも単独個体が少々遅れて 飛んでいた感が強い。10:22分のサシバ3羽は上昇するものの、羽根を閉 じて降りたかと思うと、又上昇したりと、遊んでいる雰囲気だった。 以上
【権現山】8:00〜11:45 晴れ 風向:E〜N 風力:1〜2 稲田 08:55 タカ sp.x1 フォーク鉄塔東側 カラス約30羽にモビングされ、少し上昇して 西へ。 他に出現なし。 水のみ場にキビタキ♂♀、観察場の桜の木にツツ ドリが出現。
【変電所前】8:00−10:30 晴れ 南西1、24度 池上 8:46 ハチクマ 頭上に湧きだす 旋回しているうちに見失う 9:24 ハチクマSP2 北上 9:35 サシバの声がするが姿見えず。 渡りか、ヒヨドリ10羽ぐらいが2度 西へ、
12日(日)
【菜の花台】9:00−12:20 南1、曇り、池上、竹信、小林み、菅原、霜島、吉邨、稲田の7人
9:38 ハチクマ
9:56 鉄塔にノスリ ノスリの鳴き声
10:06 ノスリ
11:47 ハチクマ 真上を西へ オオタカが大山方向に
【08年 丹沢山塊 ふれあい秋のタカ渡り調査】
会員番号134 横浜市:竹内 勝夫
小生の住む旭区・若葉台の団地から、朝に夕に眺める丹沢山塊。左に端正な大山から右に三峰山、その先の峰々辺りまでの山々が遠望できる。残念だが表尾根は無理である。
果たしてこの山波を秋のタカの渡りは越えてゆくのだろうか?ふれあい・池上さん提案のタカの渡り調査に参加し、丹沢山塊越えの渡り確認のため今年も通ってみました。
過去の調査から矢倉岳から万葉峠を越す渡りの集団は、この神奈川県内の何処を通過しているのか?この秦野盆地から丹沢山塊の何処を越えているのだろうか?その疑問に挑戦したのです。
観察の時には5時に起床、6時には出発し、7時から菜の花台で観察である。早朝は、小鳥達が我々を楽しませてくれました。双眼鏡を肩に、コンビニのおにぎりを頬張りながら、秦野盆地・湘南の海岸線・相模湾に浮かぶ朝日を受けた江ノ島も格別でした。
少し双眼鏡を引くと、秦野盆地が海のようで、そこに半島のように突き出た権現山から弘法山がやはり日を受けて輝き見えています。
この時間耳を傾けると聞こえるのは、シジュウカラ/メジロ/ホオジロ/モズ/イカル/カケス、そして少し気温が上がると、飛ぶために生まれてきたようなアマツバメ/ヒメアマツバメ/イワツバメ/ツバメ達です。山頂をかすめながら羽音を残し去っていきます。
その間をぬって、オオルリやヒタキ類も梢で休息を取りながら西を目指します。でも何時も感じますが、何故小鳥達の体型はこの様に多様に進化したのでしょうか?同じように海を渡り南の越冬地を目指すには、余りにも飛ぶことに対する体型が違うからです。餌の取り方での進化と思いますが、その過程での変化には興味には尽きないものが有りますね。
小鳥達を観ている間に時間も経ち、気温も上昇し始めると、猛禽類が活動を始めます。何時も先陣を切るのがトビです。菜の花台のケースでは殆どが秦野盆地側から突然姿を表します。ワッとさせられますがトビですねで終わってしまう。(トビには失礼だが)。
次は一通り近隣に立ち並ぶ高圧送電線の鉄塔上部をチェックする。時折羽を休めているタカ類が観察されることがある。彼らにとっては休息やハンティングの良いポイントであるのだろうか。
そして双眼鏡焦点を権現山に合わせる。そこから順次弘法山、善波峠、そして浅間尾根を大山方面へと移してゆきます。地付きのオオタカやノスリが舞うが、大きい群れの渡りには巡り会わないことが殆どである。
ある日のこと権現山でセンサス調査をしていた仲間の方から、大山山頂遙か上空を飛ぶ群れの情報が観察途中に入ってきた。急ぎ双眼鏡を大山上空に向けると、居たではありませんか! ヤッターと声が出ました。
肉眼では見えないが上空を飛行するサシバの群れが、レンズを通して確認出来ます。なんとサシバは丹沢山塊の上を飛び越えていたのです。
今まで見えなかったサシバ達は遠くで上昇気流に乗り、水平飛行に移り、高度が落ちたら再び上昇気流に乗り西を目指していたのです。矢倉岳でも気流に乗りその先の箱根を超えていたのでしょう。この瞬間に、我々の調査にも一筋の光が射したと嬉しく、楽しく感じ入りました。
大山やその付近の山々の稜線よりも、はるかに高い空をすでに滑空し越冬地を目指していたと感じました。渡りの群れは面白いように次から次と大山の上を飛んで行きます。
9月27日の午後、権現山で飛んだ集団も、遠い水平方向に気を取られていた我々の視野より高く飛来し、忽然と姿を現し、気づいた時には権現山山頂の少し北を悠然と飛び、あれよあれよと言う間に、一直線に矢倉岳方面へと去りました。
今後の観測結果を待たねばならないが、これらの経験や各種の文献から、関東平野ではサシバがと飛ぶ日は一斉で、遠くで上昇気流に乗り、降下・上昇を繰り返しながら一気に飛び抜けるように、その日の内に渡りきってしまうと、この度の観察からは感じました。
こんな観察や感想で今シーズンの“ふれあいタカ渡り調査”は10月中旬、来期も又の合い言葉で終わりました。数は減ったものの、未だツバメ達が西へと軽やかに菜の花台をかすめ飛び去っている日でした。
今シーズンの観察は完了ですが、調査は未だスタートしたばかりです。場所やルートを確定し渡りの実態を掴むまで継続します。
それにはふれあい皆さまの数多い観察の目が必要です。次のシーズンには誘い合って、渡りのタカを多くの会員で観察・調査が出来る年になればと願いつつ・・・・・有り難うございました。
2008年秋タカ渡り調査を振り返って 池上 武比古
矢倉岳の東側で沸き立った鷹柱は、やがてほどけ、サシバは次々と愛鷹山に向かって樹海の上を悠然と滑空してゆく。その勇姿を見て、誰しも感慨を持つでしょう、私はいつも書くことですが、その姿を想い浮かべるとアルビノーニのアダージョの旋律を思い出します。
タカの渡りを見たいなら、遠くでは伊良子岬、白樺峠、近くでは矢倉岳に行けばいい。しかし、そこは先人が開発した場所、手っとり早いけれど観光名所を訪れるようなもので、できることなら自分たちのフィールドでその姿を見たい。
そういう思いで始めたタカ調査ですが、2年目で何とかその緒に着いたようです。私なりにこの秋の調査の問題点を整理して、皆さんの意見、批判を募りたいと思います。
○大山から権現山の山稜、上空はタカの大きな渡りルートだった。
まずは権現から始めようと調査を始めたのは、秦野に住む浅川久子さんが「弘法山と権現山の間ですごい鷹柱ができたことがある」と、渋沢丘陵の観察会リーダーの船木曄子さんが「何度も渋沢市街上空に鷹柱を見た」という目撃談を寄せてくださったからである。
半信半疑ではあったが、この秋の9月26日の86羽、10月2日の70羽(重複あり)の目撃で、この近辺がルートであることは実証された。
権現山の南をタカ飛ぶことはほとんどないようだ。さらに南の湘南平のあたりは逗子や鎌倉方面からの渡りのメインルートになっているかと思われるが、それを見るのは無理。しかし、この大山―権現山線は、箱根―万葉公園線の前の大きなゲートになっていることは確実なように思える。
○飛行ルートは高かった
昨年は10月4日、神奈川県内での観察ポイント、武山、峯山、万葉公園でサシバ・デーに沸き立ったとき、われわれの菜の花台観察では記録はゼロで、惨めな思いをした。ところが、今年は何とかカウントできたのは、高度の飛行集団を見つけたからだった。つまり、去年は見ていても見えなかっのだが、それにしても高く遠く飛ぶ集団を見つけるのは難しい。
今年2回のサシバデーで、何とか集団を確認できたのも浅川さんの「飛んでるわよ」という連絡があってのことだった。というのは、われわれはそれまでの経験で、権現山では通称フォークからNTT中継塔の浅間山山稜越えにばかり注目していて、その山稜のかなり上とか、われわれ自身の真上にまで気が回っていなかったのである。菜の花台も同様で、言われてみれば、大山のはるか上を飛んでいる集団がいた。
山稜越えと、高度飛行組のどちらも見るには、今の権現山・東屋の横の観察では限界があるかもしれない。山稜の向こうでソアリングしているのを見つけて、それが滑空すると、展望台周辺の樹木に邪魔されて、行方を見失ってしまう。その面では、権現山直下の駐車場横は大きく見通しがついていいかもしれないし、小蓑毛・変電所前はさらに展望が開けていて、山稜越えも高度飛行もチェックできそうな気がするので、今後検討したい。
○八王子南下組は少数、大半は大都会高度通過組ではないか
調査を始めた時のコース予想は、八王子方面からの南下組が丹沢の東麓、南麓沿いに回って来る、というものだった。それだからこそ、権現山、菜の花台の観察のターゲットは、大山から権現までの山稜であり、そこで上昇気流に乗って来るのを待ち構えていた。その想定は部分的に合っていたのだが、われわれの念頭にはなかった高度通過集団の規模は、それら山稜越え集団をはるかに凌駕していた。
実際に見て、聞いて考えると、雨や曇りの毎日が続いたあとの晴れ、朝から気温が上昇したときの通過集団は、われわれから見える山稜あたりで上昇気流に乗ったのではなく、はるか遠くで登りきって滑空し、秦野付近でできればもう一度一仕事するか、という風情にも見えた。(東京など大都市を横断したサシバ群が秦野あたりを横断したのではないか、という推察は、ふれあいHPのフォーラムに入れました)。
○秦野でのサシバデーは、城山湖とはリンクしていなかった
秦野でのサシバデーの出現サシバを見ると、大半は高度飛行組だが、もちろん山稜越えと見られる飛行組もいる。森要さんの名古木、変電所前での観察で目撃された個体や、伊勢原・浄水場入り口の七沢観察で目撃された多くの個体もそうだ。
それまでに飛行してきて、一晩その山麓で休憩していたのか、それともその日に山稜伝いに来たのか、それは分からない。その行動パターンを今後調べてゆくことは、七沢での調査の大きな目的になろうかと思うが、ただ、秦野、菜の花で多くのサシバ通過を認めながら、七沢では分からなかったことは、どう理解すればいいのか。単純に見逃したのか、それとも、高度が高すぎて見えなかったのか。どうも、後者のような気がするが。
いずれにしても、城山湖を始めとする八王子各地のサシバがほとんど西へ向かったことや、秦野に比べて確認個体数が少ないことから見て、秦野でのサシバ集団はどうも厚木の方には来ていなかったようだ。
○同定力のアップを! いい知恵を貸して手ください。
タカ観察を始めて、いろんな喜び、驚きを経験した。神奈川でこんなにいたの?と言いたくなるような多くのハチクマを目撃したこともそうだし、定番のサシバ、ハチクマ、ノスリ、オオタカのほか、ハヤブサ、チゴハヤブサ、ハイタカ、ツミ、クマタカなど多くの種類のタカを見て、まだまだ自然が残っていることを実感した。
ただ、多様なタカに遭遇できることは、同時にタカの同定力が問われることでもあったが、まだまだ駄目な私は「何やあれ?」ばっかりであった。2キロはあるだろうか、遠くの点を見つめながら、まずはカラスとの区別。これは、カラスのひらひら飛びでなんとかクリヤー、その次はトビ。バチを見られるならいいが、水平飛行に入られたりすると、ノスリではないのか、それともサシバなのかと、だんだん支離滅裂になってくるのである。
七沢で見ていても、前日の私の観察ではゼロなのに、翌日の吉邨隆資さんの観察ではすさまじいカウントをしていたことで、その差は如実に出ている。よって、吉邨さんには脱帽して、遠くの点やシルエットでどう見分けるかを、これまでの知恵を集大成して披瀝してくださるようにお願いしている。
市販のタカ図鑑は、虹彩がどうしたとか、横斑がどうしたとか、いろいろ書いてあるが、そこまで見えたなら誰にだって同定できるというもので、白樺峠のように近くにみえるのならともかく、双眼鏡ではだめ、スコープでやっと見えたというレベルで苦闘しているわれわれにはたいして役にたたない。
タカというのはなかなか見かけることはないし、探鳥会で見ても一瞬の間に通り過ぎてゆくので、その特徴を把握できないままに終わることが多く、たとえ何とか同定にたどり着いても、この歳ゆえにすぐ忘れてしまう、ということを繰り返しているので、何とかしなければいけません。
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